「あのさあ、リコ姉」
「んーなに?」
ソファに座って、大好きな抹茶味のアイスを食べていたとき。
至福の時間を邪魔したのは、うちの弟だった。
「全部飲まないならイチゴミルク買ってこないでよ。いつも飲みかけ処理すんの俺なんだけど」
「いーじゃん。あんたそのイチゴミルク好きでしょ?」
たまに買ってしまうイチゴミルク。
今日は全部飲めるかも…!
と思って買っても、やっぱり甘くて最後まで飲めない。
冷蔵庫に入れとけばいつも勝手に弟が飲んでくれたから、今回もそのつもりで…。
「いくらなんでもリコ姉の飲みかけばっかはイヤ。責任持って飲んでね」
冷蔵庫をバタンといつもより強めに閉めて、
あたしの目の前にイチゴミルクをちらつかせた。