「もう無理。ほんとすき」
ため息をつきながら友里に訴えると、
「キャラの崩壊もいいとこね」
と軽くあしらわれてしまった。
あの声に顔、声をかけてくるタイミング。
全部計算なのかな?ってくらいにかっこいい。
むかつく。ずるい。
そのとき扉がガラッとあいて、
頬に氷嚢を当てた藤田くんが帰ってきた。
「うわー藤田くんに氷嚢とか…似合わない………」
もともと目立つ存在だった藤田くんが、
氷嚢を持って帰ってきたのはみんなも衝撃的だったらしい。
ファンの人たちがすぐに藤田くんの周りに集まって、心配そうな顔をした。
いいなあ。
あたしだって、大丈夫だった?って聞きたいのに。