資料室の中を歩き回りながら、
わざと藤田くんに聞こえるように話す。




「なっ、なんかさ〜!日直だからって雑用頼まれちゃって!!次の世界史、世界地図使うらしいよ? だからそれを取りに行けって…」


「静かにして」




ピタッ、と足が止まった。



藤田くんが何もしゃべんないから、気まずいから、話してんのに!

こっちの気も知らないで!!




ムカッとして、わざと足音を大きくして歩いた。



何でこんなとこでボサッとしてる藤田くんに!

そんなこと言われなきゃいけない!