「何やってんだお前ら」




…っ。

よかった……間に合った…。


振り向くと、ジャージ姿の先生が立っていた。



友里、元ヤンだったって有名の先生呼んできたんだ。


確かに、怒鳴ってないのにみんなの視線を一気に集めてしまった。



しかも、藤田くんたちの動きもパッと止まった。




「保健委員、藤田を保健室に連れてけ。梶浦は話を聞くから相談室に来い」




藤田くんに手を上げた梶浦くんは、先生に立たされて、教室を出て行った。



藤田くんは口の端から出た血を指で拭って立ち上がろうとしていた。



「ふ、藤田くん、保健室…」



保健委員の子がビクビクしながら手を差し伸べると

藤田くんはその手をパッと払った。



「…いい。放っておけば治る」

「でも…」



そのまま自分で立ち上がって、席にドスッと座った。



絶対痛いのに…何強がってんの…。

ちゃんと手当しなきゃだめだよ…。