「殴れよ、本当は殴りたいんだろ?」
「…てめ…っ」
「要するに怖いんだろ。1人じゃなんも出来ねぇくせに」
なんで。
なんで藤田くん、そんなわざと挑発するように言うの…!
だめだよ、そんなこと言ったら本当に殴られちゃう…っ!
「……来いよ」
そう藤田くんが小さく呟くと
藤田くんの頬めがけて、拳が飛んできた。
倒れた藤田くんを見て、みんなが悲鳴をあげる。
あたしは声を発することも出来なくて、
わざと挑発するようなことを言う藤田くんが理解出来なくて、
目の前で起こるケンカを見てられなかった。
「藤田やり返せよ…なんでやり返さねぇんだよ!!!」
藤田くんに馬乗りになると、また拳を上げた。
やめて…………っ!!!!