もう飲み終わったパックなのに
それが単なるゴミに見えない。



これは病気だ…。


藤田くん病だよ…。



教室のゴミ箱にイチゴミルクのパックを入れて、ひょろひょろと席に戻った。



「あれ?早いね。なんかあった?」

「は〜〜〜〜〜〜っ」

「はぁ?」



友里の質問に答えられる気力がない…。


だってだって、好きな人に名前を呼ばれることが

こんなに嬉しいことなんて知らなかったんだもん。




「その様子ならもうわかってると思うけど…好きなの?藤田くんのこと」




そう友里に聞かれて、
机に上半身を突っ伏したまま、

頭だけをコクッと動かした。



好きだ…。
普通に好きだ。


あたし、好きな人が出来たんだ。