昇降口を出て、校舎を出る。
グラウンドの前に出ると、すでに練習を開始している野球部の姿。
元気のいい掛け声が耳に気持ちいい。
「いやあ、2人で図書委員なんて、ついてないよね!」
グラウンドの周りを走る野球部員をぼーっと目で追いながら声に出す。
「…誰?」
「へ?」
「だから、さっきの男子、誰」
道の真ん中で止まる藤田くんの足と共に、
あたしの足も止まる。
「さっきの男子?」
…さっきの。
さっきのって……あぁ!萩原くんのこと?
「萩原くん?男子の図書委員になったみたいで、よろしくって」
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