「あたしも、そうだといいな…」
「絶対そういう子いるよ!あたしが保障する~~」
下駄箱に着くと、クラス表が張り出されていた。
その前に大量の…人!人!人!!!
「あっ…じゃああたしはこれで…。本当にありがとうございました!」
「ああ!うん!またね!」
控えめにお辞儀をするその子に、
あたしは胸の位置で手を振った。
その子の背中を見つめて思う。
……あ…名前聞くの忘れちゃったな。
歩くたびに揺れる長めスカートが、なんだか桜の花びらみたい。
「……リコ?」
突然後ろから聞こえた声に、ハッとする。
「おはよう藤田くんっ」