なんか、なんかわかんないけど、
藤田くんをまっすぐ見てると、
ダメだ。泣きそうになる。
「……それ聞く?」
「聞くよ…。聞きたい」
あのね、藤田くん。
あたし、藤田くんがだいすきだよ。
いつもなんだかけだるそうで、いつも無表情で。
でもイチゴミルクみたいな甘いのが好きで。
ドッジボールに本気になったりして…。
そんな藤田くんの隣に、
あたしはいたいって思うんだよ。
一瞬の沈黙のあと、
藤田くんの声が聞こえた。
「…リコに決まってるでしょ」
瞼を閉じたら溢れた涙。
目を開けたら、多分あたし、
子供みたいに泣いちゃう。