「どうもじゃない。遅い」

「だっだって!なんか緊張して…」




それに!どうしていつもと違う場所にいるの!?

なんですぐそこに立ってるの!?




「緊張?なんで」




そう怪訝そうな顔で聞きながら、
あたしが閉め忘れていた扉をピシャンと閉めた。




「リコ扉ちゃんと閉めて」

「あ、ハイ」




それからまたいつもの場所に戻っていった藤田くん。

あたしはただその背中を追いかけるだけ。




窓から差し込む夕陽が藤田くんの背中に輝いていた。


…綺麗だ…。




「で、なんで緊張するの」

「え!?その話戻る!?」

「うん」