「はるかー、早く出なさい。」


玄関にはお兄さんがいた。


「お兄さん!?見回りは?」


「もう終わったよ。遅かったね、用意して帰るだけなのに(笑)みんなもう外でたよ。君も早く帰りなさい、不良ちゃん」


なんか今日は意地悪だなって思うほど、また意地悪な顔して言った。


「むぅ、帰りますー。はるかは不良じゃないもん」


意地になった私はつい昔の癖で一人称が“はるか”になっちゃった。


お兄さんはいつものように目を丸くして驚いてから
ふわっと笑って、

「じゃあね」

と言った。