「失礼しま~す……」


「お!新垣、こっちこっち!!」


私に気づいた朱希先生が嬉しそうに手招きする。


「なんですかぁ~?」


「はいこれ、教室まで持ってってみんなに配っておいて」

そう言って渡されたのは、大きい袋いっぱいのお菓子の詰め合わせ。

「なに、これ……?」


「ん?今日ホワイトデーだろ?俺クラスの子ほとんどにもらったからみんなにお返しやろうかなって」


あ、ホワイトデーか、今日は。

優しいなぁ、朱希先生。