「ありがとな」


胸をぎゅっと掴まれる感覚に陥る。



もうっ、ウツイさんのせいだっ……

そう思うと同時に涙がこぼれた。



「ウツイさんっは、みんなにわざわざっ、お礼を言って、まわるのっ……?」


「えっ……?」


「ウツイさんに気づかれないようにっ、名前、書かなかった、のにっ、なんでっ気づいちゃうのっ……!?」


「はる、か……」


なんで今名前で呼ぶのよぉ……


「好きです……。ウツイさんがっ、好きなんですっ」


勢い余って告白してしまった。

やばって思って逃げる。


「おい、遥!」


いい逃げしちゃってごめんなさい。

でももうあそこにいるのは耐えられなかった。




ねぇ、ウツイさん……。
どうして遥って呼んだの?

私はちゃんと最後までウツイさんで頑張ったんだよ……。