その瞬間ばっと離れた二人。


遥は顔を真っ赤にして、走って帰っていった。



なんなんだよ、弁解もしないのか。


「どういうことですか」


思っていたより冷静な声だった。



「あ、いや……。」


生徒思いで人気のあの“朱希くん”の姿はなかった。


なんなんだよ、もう。
本当に勘弁してくれ。



「もういいです。戸締まりお願いしますね」