「なに」


その声はさっきより低く冷たかった。


お兄さん……?



「あっ、あの……昨日の放課後のことなんですけど

なにか相づちしてくれるかと思ったのに、お兄さんはただ無言で冷たい目で私を見つめるだけ。



あ、やばい、なんか泣きそうだ。


それでも言わないとだから頑張って続ける。

「別に私と朱希先生付き合ってたりしないですよ?誤解なさっていたら嫌なので、それを言いに……」


「それだけ?」


「え、は、はい」



「別にどうでもいい。」



「っ……」


「もう用ないなら帰ってくれない?俺仕事があるから」


こ、んなのお兄さんじゃないよ……。