*゚結衣side*゚


「うわぁ…!」


すでに暗くなった、夜の公園。


いつもは広々と芝生が広がるそこには、
数々の屋台が並んでいる。


「らっしゃいらっしゃいー!」


威勢のいいおじさん達が、美味しい匂いをさせて

食べ物を売っている。


今日は近所の公園で一年に一回行われる、夏祭り。


「最初、どこいくー?」


となりで私と同じように興奮しているのは、


如月 夏菜(kisaragi natuna)


綺麗な長い黒髪に、白い肌。
とっても綺麗な、私の親友。


「りんごあめ…やきそば…うーん…」


優柔不断な自分が、あんまり好きじゃない。


目の前にたくさん並べられると、昔から即座に選ぶことができない。