幽霊ってのが本当だったならこれも本当のことなんだろう。
「え、私死ぬの?」
「このままじゃね」
このままってことは生きれる可能性もあるってこと?
「茉莉はなんらかの理由でこのままなら死ぬ、だけどその理由をなくすのが俺らの仕事。だって茉莉の寿命はまだまだだからね」
よく理解できない…。
頭が混乱して私はその場に倒れてしまった。


目を覚ますといつもの朝。いつもの景色
体をゆっくりと起こす。あいつはいないみたいだ
「あー…悪い夢だった」
急に視界が塞がれる。あいつの頭によって、
「うわぁぁぁぁぁあ!!」
「茉莉!うるさいわよ!」
下にまで悲鳴が聞こえたのだろう
お母さんの怒鳴り声が聞こえる。
「おっはー」
「おっはーじゃないわ!ボケ!」
イタズラ顏で笑う陸。

なんだろうこの懐かしい感じ…

学校にまで、ついてくる陸。
他の人には見えてないらしいからまぁ安心だけど…つきまとわれてるのは居心地が悪い。席に着くと隣の席の山瀬蓮が話しかけてきた。
「はよ。椎名」
「おはよ蓮」
無表情で答える私に蓮は
「お前しっかし笑わないな。笑ってよ」
「は…はは。」
「バリバリ作り笑顔だろ」
そう笑う蓮。私は…あることから、自然と笑うことができなくなった。
「ごめん…笑え…なくて」
「いいんだよ!ごめんなこんな事言って、でも笑ったら絶対可愛いとおもって」
「っ////」
こういう事を蓮はサラッという。
実は好きなんだけど…告白なんてできない。蓮は容姿端麗、運動神経抜群おまけに勉強もできて皆に優しくて面白い。
モテないわけがない。二時休みには蓮の机にはあたりまえのよう女子があたりまえのように群がる。
授業中しか話せないのだ。
「なに茉莉。あいつのこと好きなんだ〜」
急にからかってくる陸。
「ちがっ」
そんな私の言葉も耳に入れず、
「いいよいいよ、わかってるから☆
じゃあ俺はちょっと行ってくるな」
「え?あ、うん」
そう言って陸はどっかに飛んで行ってしまった。
「おい椎名、お前誰と話してんだよ。
こえーな、火星人と交信か?」
そう言って爆笑する蓮。
「バカだなー蓮は」
こうやっていつもふざけあってる私達。
なにげ幼馴染みでもあるのだ。
私が好きなことなんて1ミリも知らないんだろうけど。
別に知ってもらわなくていい。

だけど…私死ぬのかな
死ぬんだったら蓮にも……
言いたいことがある。

キーンコーンカーンコーン
6限目のチャイムが鳴る。
陸あれから帰ってこないな、
ま、帰ってこなくてもいいけど
そんなことを思っていると
「俺いなかったら茉莉死ぬんだからなー
大事にしろよ〜」
突然後ろから現れた陸に驚き小さく悲鳴をもらした。
「おい!突然後ろからこないでよ!」
「へへっごめんごめん」
いままで寝てた蓮が起きた。
「椎名…独り言うるさい、寝れんだろ」
蓮には私が独り言を言ってるように見えたんだろう。
「ごめん蓮」
寝顔かっこいいなぁ。
「寝顔かっこいいなぁ」
え!?やば、思ったこと口にでてた?と思ってたらあたふたしてる私を見て笑転げる陸。
「お前か小僧」
ちょっと低めの声で言うと
「そうでごわす」
それにノってきてくれる陸。
ふざけていたら放課後になった
「おーい茉莉!おっはー」
「ちょいちょいおっはーじゃないよ天音
今放課後」
放課後登校のこの子成屋天音。私の友達だ。
「よっし、帰ろ茉莉。パフェ食うぞ」
「ダメ」
私に、一刀両断される天音はこれから補習なのだ、頭はいいけど登校日数が足りないからね。

帰り道
「ねー茉莉〜。死にそうな事忘れてない?もしかしたら明日かもしれないんだよーーー?」
そ、そうだった。忘れてた。
「私…」
「ん?」

「生きたいよ」