桜が舞い散る季節私は君に会ったんだ

ドンッドンドンッ!

部屋の窓が急に叩かれる。
「なんだよ〜怖いな。風かな。」
私はおもむろに窓に近づく。
「もーなん…バンッ!!
「こんにちわー!じゃないやこんばんわ!!」
「…………」
…窓を開けて勝手に入ってくるこいつに私は呆然と眺めるしかなかった。
「おーい。椎名茉莉〜!生きてるか?」
よし、今の状況を整理しよう。
そう私こと椎名茉莉16歳。セミロングの
髪。顔は普通ってとこじゃないかな。
で、目の前にいる中学一年生くらいの男の子。茶髪でイケメン…。
こいつ不審者だよね、警察警察。
私が携帯で警察へ通報しようとしていると…
「そんなことしても無駄だよ。俺、お前にしか見えねーもん」
ニカっと笑ってそういった。
硬直する私をよそにベットの上に座った彼に
「ね、ねぇあんた名前は?」
「俺?俺は陸!」
陸…どっかで聞いたことあるような
それは置いといて私にしか見えないってどういうことだろうか。全く理解不能だ
「私にしか見えないってどういうことなの?」
おずおずと聞いてみる。
「あー俺死んでるから」
え……今この人さらっと死んでるからとか言った?幻聴かな、、 、
「はぁあ!?」
「幽霊ってことだよ」
うわぁあぁ。なんなんだこの人。
幽霊?って幽霊?新手の不審者なのか?
「信じてないようだね。」
「あったりまえでしょ!そんなすぐ信じられるわけ………」
真っ直ぐと目を見て向かってくる陸。
ぶ、ぶつかる。ギュッと目をつぶると、
体の中をなにかが通るような感じがして身体中に寒気がはしる。
「今茉莉すり抜けたんだけど、わかった?」
「………ぎぃやぁぁぁあああ」
夕方の街に叫び声が響いた。
「でてって!でてってってば!!怖い怖い!なんで家なの!?他の人のところにいけばいいじゃないか!」
ギャーギャーわめいていると
「こっちはね〜仕事できてるんです!」
「は?仕事?バカ言ってないでどうぞお帰りになってくださいませ幽霊さん」
仕事ってなんだ仕事って。そもそも幽霊でしょ。幽霊ってこうもっと…グロテスクなものじゃないの?
「はぁー。」
わざとらしいため息をついてからクスッと笑うと陸は
「じゃあ1から教えればいいかな?」
そこから陸は幽霊のあれこれを30分ほど語っていた。で、まとめると…
幽霊にはそれぞれ仕事があって、陸は仕事の一つで私の元にきてその仕事が私を助けることらしい。
「え?助けるってなに?」

「茉莉、このままじゃ死ぬから」

陸から出た言葉は意外なものだった。