「迷い込んじゃったって、んなわけあるか。第一、どっから……」
「イーチェ?」
オルファの声を遮って、別の男性の声がした
「あ、」
イーチェ、と呼ばれたピンク色の髪の女の人が少し退いてくれたから、その男性がはっきりと見えた
少し痛んでいるっぽい?金髪
眼は同じ金色だ
「部屋にいなかったから、何処にいるのかと思った」
「ごめんなさい、少し外に出たくて」
「せめて、一言行ってから……僕も着いて行くのに」
「次から気をつけます。さぁ、部屋に戻りましょう。春だといってもそのような薄着だと寒いでしょ?」
「そうだな、戻ろう」
金髪は女の人の腰に手を回し、城の方に歩いて行く
………微妙にカッコいい男性だけど、オルフェや栗色さんの方が僕はカッコいいと思う
「エレガン、貴方はモルちゃんをよろしくね」
「了解」
「オルフェ、行きますよ」
「へーい」
女の人のその言葉に、金髪さんは一瞬僕と視線を合わす
すぐに逸らして、オルフェへと向け、明らか睨んでいたけれどオルフェは全然気にしてないようだった
三人の姿が見えなくなってからのこと
エレガンと呼ばれた栗色さんが、僕の手をとり城の方へと進む