「モル、ノロい」
「大人と子どもの歩幅を考えろや」
「大丈夫だ、イーチェに合わせてるから。お前もすぐに同じぐらいになんだろ?」
「……」
否定はできません。
ココ数日で、また身長が伸びた
でも、まだ。
まだ、魔法は使えない。この魔道具なしでは……。
壊れずに残っていた魔道具も、使えるか微妙だという事がわかってしまってショックだったし
……もう、はやく成長してくれないと困る。もしかしたら間に合わなくなるかもしれないもの
イーチェ達とあいてしまった距離をうめる為に走る
そんな僕の後ろにいるのは、ナンティル
ジッと見てるんだよ、この人
僕が遅れたら、この人も遅れる。でも、何も言わず、黙って僕を見てる
………何かね?怖い。うん。
何考えてんのか、サッパリわからん
横目で黒フードをチラリと見た後、視線を空へと向ける
1番星がうっすらと輝いている
僕につられ、ナンティルも空を見上げる
「エレガン、そろそろ野宿の場所探した方がいいです」
「ん?……あぁ、そうだね」
野宿の場所と言っても、ここらはほとんど砂漠だけどねー
だから、エレガン達はさっさとテントをはり始める
………君達、サバイバルでもやってたんですかってぐらいテキパキしてて、最初の方は驚いたもんだ