「今、そんな事言ってる場合じゃないわよ。急いでニマラに向かわないと」


「ニマラはやめた方がいい。今、帝国がいろいろと、な」


「そうね、魔物の事も知りたいし、逃げたいとなれば………アーシャルカルアぐらいか」





顎に手を当て考えこむサーシャ



アーシャルカルア、か。




あったな、確か。


あの時はまだ、小国だったはず





「なら、モルはどうするんすか」




ただただ、面倒くさそうにそう言ったオグニ


こいつは、まだ僕を疑っているのか。他のみんなの視線は穏やかになったというのに



………ま、そりゃそーか





「そこなのよ」





ぐさっ、と心に刺さりますよ、それ



僕は邪魔者扱いか




「ニマラに親御さんがいるんだろうから、ほぼ反対側にはいけないよね」


「……」




……エレガンさん、いっその事ココに置いてってくださいな。



という訴えは叶いもしなかった




「んじゃ、リキに任せるのはどうっすか。多分、中間辺りに仲間といるはずっすよ」


「あぁ、もうそんな時期か。タイミングが良いのか悪いのか……」


「連絡しとくっすから、とりあえずアーシャルカルア目指しましょーよ?……それに、出発なら朝方の方がいいっすよ」


「わかった、じゃあ隠れ家にでも行こう」





………リキ、さん??誰だ、おい



見知らぬ人に僕は託されるのか




「オルフェは助けにいかないの?、」


「イーチェ、今は逃げる事が先だよ。………僕らにだって、できない事もある」