…まてよ、城の中まで侵入されてんなら、僕見つかればヤバイんじゃね?



いやいやいや!ヤバイ!完全にヤバイよわこれ!




玄関何処!?てか、城で安全なとこ何処!?……さっき、えっと右から来たっけ??



あれ?




………迷った?



あ、うん。迷ったわ、これ




軽く焦って、その場に突っ立っていれば奥の方から何かが走って来る音がした




残っているメイド達かもっ!と期待をしたのが間違いだった





見えたのは




「おまっ、何してんだ、こんなところで!?」


「もっ、モルちゃん!?」


「……やっ」


「やっ、じゃねぇよ!?」





あの赤髪と、担がれてるイーチェ



迫りつつある彼は、僕に対して怒鳴り、そしてあろう事か、空いてる方に僕を担ぐ




盛大な舌打ちと共に。




………最近、よくよく担がれてる気がする




しかも、こいつに




「おい、クソ餓鬼」


「……なんだよ」


「お前、移動魔法使えるか」


「………残念だけど、僕魔法、あ、右側気をつけてー」


「…そーかよ」




走りながら、僕に喋りかけるオルフェ。僕はというと返事をしつつ、飛んでくる魔法の方向などを報告



もちろん、オルフェに合わせてる。


僕の右側は、オルフェの左側だからね




イーチェはずっと黙ってる。余計な口を挟まない方がいいと判断したんだろうか