「…まだボンヤリしてるね」




今度は栗色の髪が視界に映る





ピンクの横には赤が映っている



栗色の彼は、僕の背中に腕を回して体を起き上がらせてくれた





「君、自分の名前は?」


「………あ、う」


「チッ、名前も言えねぇのか、この餓鬼」


「オルフェ」


「……チッ」




どうやら、赤髪の彼はオルフェといるらしい



そして、僕は当然喋れるはずはない



何故なら転生後、思考はあっても赤ん坊なわけなんだから………まて、この餓鬼っていったよな、赤髪




名前も言えねぇのか。つまり、言えるはず??



僕はゆっくりと視線を下ろし、自分の体を見る



………普通の、普通の子どもの体だ



どうして、?




森の中に赤ん坊の姿で転がっている時もあったが、今までは赤ん坊の姿からだったはずだ




でも、そんな記憶はない



消えたのか?いや、でも今までそんな事なかった




でも、いつもそばにある古びた本は手に持っている



この姿でから、今回は始まったのか