「………わぉ、これこそ正に炎の街」
さっきの爆発音は街でか、にしてはデカすぎる音だった気もする。
空は黒く、街は赤く染まっていた
賑やかな街、もうそんな姿など微塵もない
戦争とはやはり、変わらない。
むしろ、激しさを増して行く。
……長年かけて作ったものを一瞬で消し去るのだから
戦争だけでもないな、魔物もそうか。
どうやら、昔より知恵をつけた魔物が集団で村を襲う事があるらしい
………変わったものだ
ドタバタと廊下が騒がしい。僕はコッソリとドアを開き、廊下を覗く
「怪我人は!?」
「8名、重傷者はいません」
「街の者たちは、」
「避難し終えた後です、被害は出てません」
その街には、甚大な被害が出てますけどね
通り過ぎてくメイドさんの言葉に、心の中でツッコミながら、そーっと部屋を抜け出した
通り過ぎてくメイドさん達は、誰も僕の事を見ない。てか、気にしてもない。………いや、視界にすら入ってないかも
その悲しい事に落ち込みながらも、何処かホッとしてる。なんせ、子どもがこんな事態で城の中をウロついてるとか、部屋か何処かに連れてかれるのがオチじゃん
ててて、と何処に向かうかも決めてないまま廊下を歩けば、時々下から爆発音が聞こえる
………城の中まで侵入されてるっぽいね