「………そっか、そっか」
「?」
「じゃ、僕そろそろ帰る」
「なら、誰か付き添いを」
「いーよ、みんな何か忙しそうだし」
じゃーねー。と、手を振りながら、捕まる前にサッサと部屋から出る
玄関までの行き方はもう覚えた
迷うことはないと思う
「ふっふ、ふっふふーん♪」
城を出てからは、森へと向かう為ひと気の少ない道を選びつつ、鼻歌を歌いながら歩いていく
……いつの時代もそうだ
争いが絶えない
魔物が出現してから、もっとそれが酷くなった
魔物の出現はこの世界の"運命"になかったはず
それがいつしか、魔物の存在が普通となってしまった
運命がーーー
変わってしまった
「さて、」
ちゃっちゃと、帰ろうか。
あの人の家に。