「オグニの言った通り……僕は君を殺せない。楽しすぎたんだ、ほんと」
そう言ったモルちゃんは、右腕をあげ、掌を前に向ける
「でも、殺そうとしたのに変わりはない。記憶があろうがなかろうが僕は僕だもの」
「モルちゃん、何言ってるのよ」
「………ありがと、君のおかげで全て思い出せた」
「私?」
そう聞けば、コクリと頷いた。
「そのペンダント、光魔法を出させやすくするものだろうからね。覚醒しつつあるってのもあるだろうけど」
「これ、が」
これはアシュさんにもらったものだけど、魔法を出しやすくするってそんなものあるんだ……。
「うん。おかげで、獅子王を止める事ができる」
「!」
「本当か、」
「本当だよ」
以前、モルちゃんの手は前に突き出されたまま
………何をするつもり?
「僕にしかできない使命。」