「あんた、意外と力強いな。死ぬかと思った」
「………。」
「まぁ、そう睨むな。あの餓鬼については何と無く思い当たる事があるってだけだ」
「………いいよ、信じてあげるから話して」
「………なんか、適当に返事してる感があるけど。まぁいっか、口止めされてねぇし」
と、一本後ろに下がる皇子さん。この人、本当に敵なのだろうか。
話すまで逃がしてくれなさそうだしー。と、小さく呟いたようだけど、聞き取れた
「俺はさ、もう龍の力は手に入れてんだが、その力はさっき解放って言ったように隠してんだわ」
「単刀直入に言え」
「せっかちだなぁ？………んで、隠してるからか、中には俺を器だと信じない奴らが出てきた」
オルフェの言葉に答えはするものの、それを無視して長々と話しだす
「……単刀直入に」
「あぁ、もううっせぇなぁ。」
と、ガシガシと頭を掻いたかと思えば
「で、何があったのかはしんねぇが、あの餓鬼が器だと言う奴が出てきた。
だーかーら、そいつらに拉致られた」
「そいつらって誰ですかぁ？」
「んー、主にアクア側にいる奴らだな。あ、知ってる？アクア」
「知っている」
「あ、そう。」
