「………本当なら、もっと後にお話するつもりでしたのに。」
コツリ、コツリ、と靴の音が鳴る
「イリア、貴方のせいですわよ?」
「ふんっ、だって聞きたくなるものじゃないかのぉ。あれだけ心配させたのに」
「うん、だからごめんって」
「謝罪の気持ちがこもっとらんわ」
「いって、!」
ドゴッと頭を思いっきり殴られた。痛いな、もう。なにすんのさ、イリア。
「本当ならば、主が本来の力を取り戻した後に。貴方達に私達の目的を話すつもりでしたのに、馬鹿のせいで話さなければならない状態のようですわ」
「その馬鹿って、アシュ。」
「イリアに決まってますわよ」
手を口元に持っていき、ふふふ、と優美に笑うアシュ。
それに対して、イリアは苦笑い。
「主?目的?何言ってんだ、お前」
「主は置いておきまして、まず目的ですわね」
「………いや、置いとくのかよ」
「ふふ。……私達の目的、いえ、与えられた使命。それは、獅子王の復活を止める事」
「!!」
その言葉で全員の眼の色が変わる。
「儂らの力でら倒せれんのでな。退治してくれる誰か、が現れるまで封印し直すのが儂らの使命」
「使命、」
「うむ。白き龍の器に集まるのは、強き者達じゃからの。モルテアが何とかしてお主らに近づくのじゃ。
そして、獅子王の元に行くまでに判断する」
「はん、だん?」
「そうじゃ。倒せるか倒せないか。」
「ただそれだけの判断をするよよ。貴方達が獅子王の居場所を見つけるまでに」
「居場所?知ってるんじゃないんすか」
「モルしか知らないわ。そのモルもその記憶ないみたいですし」
「………すみませんねぇ」