「で、次は?」
「………魂が消えた。というのは?」
「そのまんまの意味じゃ。モルは」
また一呼吸おいて、語ろうとするのを僕が遮る
「僕は普通の人間じゃない」
「………まぁ、成長がはやいからね」
「それもそうだけど。僕はね死んだ事があるんだよ」
「………え、?」
そんな驚いたような声は、僕の前からと後ろから聞こえた
後ろを振り返れば、そこには戻って来た彼らがいた
「どういう、事?」
「そのまんま。」
「えぇ?じゃ、じゃあモルちゃんは、ゆ」
「ゆ?」
「え、でも足……あるよね!?」
「………あぁ、幽霊ね。違うよ、ちゃんとこの体はこの時代のものだから」
「はい?!」
「魂はずっと昔からのもの。そうだね、イリア、何年ぐらいだろうか」
「………千は経っとるのぉ」
「だって」
ニコリ、と笑う僕だけど。
その後しばらくして、船の上では驚きの声が響き渡った
…やっぱり千年経ってたかぁ
「は、え、ちょっと待て。えぇ!?」
「オルフェ、混乱しすぎ」
「いやいやいや、するわ!!……お前、今までずっと生きてんのか?いや、でも記憶ねぇのにそんな事分かるのか、?」
「ほとんど。と言ったでしょ。全くないというわけではないんだよ、オルフェ」