ゆらっと船が揺れる。動き始めたようだ………、ん?
まてよ、この男が操縦するんすよね、
その男はココにいる。
………。
「どうやって動かしてんすか!?」
「え、何がじゃ」
「船!」
「魔法に決まっとるじゃろ。儂の魔力で動くんじゃ」
………だから、ココにいるのか。
てか、魔力持つのかよ、それ
「ふぉーっ、ふぉっふぉっ。古い船を侮ってはいかんぞ?技術が凄いんじゃからの」
「……イリア、中身だけ年取ってる?」
「失礼じゃの、モル。見た目も中身もまだまだ若いわい」
「嘘つけ」
モルテアが、ジトッとした眼でイリアを見る。