急げ、もしかしたら最初のあの気配は
「何処に行くのかな、お嬢ちゃん達」
………ほれ、出た。
なんか、幽霊が出たみたいな言い方だな
「っ!」
「……」
「これはこれは。光の姫君ではないですか」
ゆっくりとした喋り方
細い眼
黒よりの青髪
そして、何より眼がいくのが帝国の服
あー、よく見るなぁ、この軍服
王国の奴ら、マジで動いてるのかなとか疑うぐらい、この軍服しか見ない気がする
「……おじさんも、この船に乗せてもらってたんだ?」
「おじっ……あぁ、そうだよ」
子どものように、ニッコリと笑ってまだまだ若い黒青髪の人に話しかける
黒青髪さんは、頬を引きつらせはしたものの、ニッコリと無理矢理作った笑顔で僕の質問に答えた
手をギュッと握られたため、斜め上を見上げてみれば、
イーチェが、ジッとおじさんを睨んでいた