「ありゃ、海賊だ。チッ、面倒くさいな」




この船の倍はありそうだな、なんて呑気な事を考えてたら




ーーーヒュルルルルー…





とかいう、落下音が聞こえて来た………って、落下音??



ハッとなり、上を見上げたものの、もうその行動は遅かった



それと同時に、バシャーン!と海に何かが落ちる音。そして、船の大きすぎる揺れ




………大砲でもぶっ放したか。





さすが海賊。今も昔も変わりませんなぁ





「モル!イーチェ!船内にいろ!エレガンがいるはずだ」


「わ、わかった。行こっ、モルちゃん!」


「え、あぁ、うん」





………船内も十分危ないかと。





「ーーー。」




オルフェの詠唱している声を背に、僕達は船内へと入った





………あれ、ちょっと待てよ。



あの船の旗、海賊旗だった?



いや、黒くはなかった。





まさか、




「イーチェ、戻ろう!!」


「え、モルちゃん!?」




キョロキョロと、エレガン達のいる場所を探していたイーチェを




来た道へ、引き返すように引っ張る




あれだけの音がしたんだ。船内にいた彼らも外に出ている可能性の方が高い




この船には、幾つかの出入り口があった




すれ違っている可能性はないとは言えない