いかにも、船乗りって感じ。ゴツイ。



「準備はできてんぞ。もう行くか?」


「えぇ。出発は早いほうがいいでしょうしね」


「わかった、乗りな」




ルクを先頭に、船に乗り込む彼ら




「モル!置いてかれてぇのか!」


「いや、全く。」




叫ぶオルフェの声を合図に、僕は船へと足を進めた




木でできた船



………。



「ねぇ、ルクさん」


「んー?」




そう声をかければ、操縦室から声が返って来た




「この船、乗ってるのって僕達だけ?」


「………あぁ、リキに頼まれたからな。まぁ、荷物は積んであるが」


「なら、いいや」





ちょっと、気になったもんだからさ。




軽くスキップしながら、甲板へと向かう




海は好きだ



青いし広い。………そのまんまだな




海は、魔に染まらない。海の生き物は染まるけど、海は染まらない





だから、好きだ。





……染まらないでくれるから、





「モルちゃん、見てみてよ!すっごい綺麗だよー!」


「…うんっ!」


「夕方になったらもっと綺麗なんだって」


「ふぅん」




柵に手をつき、遠い地平線を見つめる




「で、この後どうするの?」


「ルクアースルに行くらしいよ?何でも、ナンティルが解読した文字がそれらしいし」


「本?」


「うん、モルちゃんのその本と同じ文字が書かれてるやつ」


「え、?」





だから、僕の本を?



待って。まず、この文字は………