問題は帝国がいるかいないかか。
……いないでしょ、そんなにワチャワチャ動かないだろうしさ
どーせなら、海の上でしかけた方がいいんじゃないかな。
逃げ場もないしさ
僕ならきっと、そうする。
日が落ち、辺りが薄暗くなったころ
荷馬車は動きを止め、その近くにテントがはられていた
フワリ、フワリと淡い光の玉が幾つか飛んでいる
「……近くに魔物がいねぇってのも、困るな」
「そうだね、食糧尽きた時危ないからし」
「ガイン、抑えろよ、食欲」
「んー、努力はしますよぉ」
ゴロリ、と砂漠の上に寝転ぶガイン
オルフェがその横に片膝をついて座っている。
サーシャとイーチェとナンティルは荷馬車の中
エレガンは馬の方にいて、リキは荷馬車の後ろの方で座りこんでいる
僕はというと、荷馬車の車輪の前で、それに凭れかかっている
ウトウトと、していた時だ
僕の頭の中に、ノイズのような音が流れた
「………」