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「……あー、暑いですねー」


「我慢しろ」


「我慢って、もともとこの荷馬車は自分のですよ。本当なら、姫さんとついでにサーシャ以外は乗せないつもりだったんですけどね。暑苦しい。んで、俺が……」


「ついでにって何よ、ついでにって」




最後は本性っぽいの見え見えで早口でブツブツいうリキ



馬を動かすところに、オグニとガイン



そして、中に残り。



荷馬車は狭い……だから、すっごい暑苦しそうだ。しかも、ここらへんは、気温が高め。



オグニとガインはいいとして、男数人降りろってんだ


歩け。



イーチェとサーシャが可哀想だ




「………んで、モル」


「んー?」


「なに、てめぇだけ飛び道具使ってんだ、降りろ」


「えぇー、子どもに歩けって?それとも、そんなクソ暑苦しそうなところで、熱中症にでもなれと?あ、イーチェとサーシャにならいいよ」


「贔屓かよ」


「男女の違いですぅーだ」


「あ、そう。…てか、クソ餓鬼。お前、リキにだけは似るなよ」


「…それ、どういう意味ですか」







体力あるだろ、歩けー、男どもー




てか、一本しかないんだよ、これ



箒。




そう、僕だけ荷馬車の横で箒に跨り、飛んでいるのです