「で、何を取ろうとしてたの?」
「えっとね………えっと」
床に落ちてしまった本の中から、自分の取ろうとしていた本を探すが
「………あれ、」
「紛れちゃったみたいね」
「私の苦労が」
地味な苦労が無駄となった。消えた。
「どんな本?手伝うわ」
「えっとね、1番分厚いの」
「……」
そう言った私に、サーシャは苦笑い
しばらく2人で探していると
「あら?」
「見つかった??」
「いや………コレは日記??」
「日記?歴史の本が置いてある場所なのに?」
「誰かが間違えたのかしら。……しかも、古いやつね」
「タイトルは?」
「『獅子の王』」
「獅子?」
「魔獣と呼ばれてるものの一つよ」
魔獣??なにそれ、魔物じゃないの?
私の考えを読んだかのように、サーシャは
「魔物の先祖のようなものかしらね。まぁ、今と昔で呼び名が違うってだけよ」
と、言った