「歴史って言ってるんだし、分厚いのかしら?」


「分厚い、」




本を出しては戻し出しては戻すを繰り返しているサーシャ



………読まないの?



そんなサーシャから視線を外して、棚へと戻す




………分厚いか、




1番分厚いの、読んでみようか



そう思って、キョロキョロと探していると




手の届くギリギリの範囲の場所にそれはあった





「……アレでいっか」




届くだろうし、と思ってその本を取ろうとするが




「んんーっ」




……なにこれ、全然取れないじゃん!




数分間、その本と格闘していると、私の様子に気づいたらしいサーシャが呆れながら側にやってきた




「何やってるのよ」




その時だ



スポンっと、本が取れた




「やった……あら、」


「あ、」




抜けた、抜けたけど



抜いた勢いで、他の本までもが取れて




私の上に降ってきた





「大丈夫?」


「いったぁ……もー!」


「そんだけ元気なら大丈夫ね」




頭をさすりながら、ムッスリとする



……他まで落ちてくるとか、ないよ、もう



頭痛い。