「そ、」


「はい」


「……」




真顔でジッと俺を見ているモル




「何ですかぁ?」


「………」


「……」


「…馬鹿力??」


「怪力の方がいいですねぇ」





ま、ドッチでもいいんだけど



モルは僕の手へと視線を向けている



まぁ、普通地面ぶっ壊すとかないですもんねぇ



しかも、素手で




「………さて、リキさんのところに行きましょうか」


「僕も?」


「当たり前でしょぉ?狙われてるっていうのに」




俺の言葉に、ポカンとしたモルだったけど、すぐにその表情は消えた





「いいの?」


「いいも何も巻き込んだのはコッチですし、親もいないし、問題はないですよぉ」



「巻き込んだ、か」


「何かいいました?」




ボソっと何かを言うが聞こえたくて、首を傾げていると、モルはへラリと笑って俺の手を取る





「行こっ」


「え、あ、はい」





一瞬、悲しそうな顔をしていたのは見間違いだろうか