後ずさりする彼ら


俺はモルを肩に担ぎ、強く握った拳を思いっきり地面へと叩きつけた




ーーードゴッ!!




とか、普通ではあり得ない音を出しながら、地面は大破



大小の破片が彼らに、俺らに降り注ぐ



まぁ、これぐらい避けてくれなきゃ困りますよぉ。足止め程度だし




「ば、化け物かっ」


「うわぁ!?」




なんて、声が向こうから聞こえるが、砂煙などで姿は見えない




今のうちにっと。




やけに大人しいモルを背負い直し、サッサと逃げる





「…ねぇ、何あれ」


「暴れないんですねぇ」


「いや、人の話聞けよ」






人通りが多くなったところで、モルを降ろしてチラッと後ろを振り返る




………来てないみたいですね





「手、……血出てないの?」


「は?出てませんけどぉ?」