「ノーノミヤスの奴らがココから出た報告はねぇ。とすれば、お前の親も出てないって事だ」
探すぐらい簡単だ。と付け加え、ニヤリと笑った
………。
「ハハッ」
「何笑ってやがる」
「バッカだねぇ、王子さん」
「あ?」
眉間に皺を寄せ、怒りオーラムンムンで僕に近寄ってくる
そんな王子さんに、僕は笑いかける
「っ?!」
「馬鹿だよ。僕に親なんていると思った
?………残念、僕の親はもういないよ」
「ふんっ、冗談はよせ。お前のような子どもが親無しでは生きていけないだろう。施設にも入っていないようだしな」
……そんなところまで調べたんだ、ご苦労様です。
「僕は1人で生きてけるよ?今までずっと……そうだったんだから」
「は?」
それに、ノーノミヤスには貧困な人は少ない、みんながみんな豊かなほうだろう
廃墟みたいなところはあっても、まぁ生活するには困ってないと思う
今の僕の姿だと、普通に頑張って1人でも生活できるさ
彼らの隙を伺い、逃げ出そうとした時だ
「ふーん、親いなかったんですねぇ?」
上から、聞き慣れた声が降って来た