「はい、とーちゃく」



「………え、」




着いた先は、




「………その餓鬼、使えんの?」


「あのリキが送り届けてましたからね。しかも、オルフェと共にしてるのを何人も見ていますから」


「そうかー」






見た事のある軍服に身を包んだ数名の男達がいる屋敷だった





足の止めた僕の背中を押す男




マズイ、




「……てい、こく」


「ご名答。俺は帝国の騎士だ」


「正確には、王子さんね」


「おい」





高級そうなソファに、偉そうに座ってるもんだから、ココにいる誰よりも偉いんだとはわかってたけどさ



何でわざわざ、王子ともあろう人がココに来てるの?




と、言ってやりたいが、流石に言える状況じゃない




そういや、ココにも帝国がいるって言ってたな。……僕、顔知られてたんだねぇ





「ココでいう事じゃねぇだろ」


「別に構わないだろ、この子…向こうにはこちら側だと疑われているようだし、使えそうだし」


「それはそれ、これはこれ。どう繋がんだ、別に俺の情報はいらねぇ」


「そうか」





なんて、やりとりしている間に僕はコッソリと扉付近へ



ゆっくりと、ドアノブを回して、ほんの少しドアを開けた時だ



ついてるんだか、ついてないんだか。この状況はついてないになるね






「何処へ行く」




その声を合図に僕はその部屋から飛び出した





おい!!という、怒鳴り声を背中に向けられながら走り出す




まぁ、普通に逃げれば僕には勝ち目はない。すぐに捕まる。




ココが二階で良かった