「とりあえず、自己紹介といこう」
眼鏡のキチンとした感じの男が言った。
「俺は中原 康太。コウって呼んでくれ」

次にその隣の小柄な男が自己紹介を始めた。
「僕は工藤義人。ヨシトでいいよ」

次はコウと同じくらいの身長の男が
「高野 葉。ヨウと呼んでくれ」

次にショートカットの女の子が
「私は南条美波だよ。ミナミって呼んで」

そして最後は髪の長く、背も高い女の子
「私は中野絵理よ。えりって呼んでちょうだい」

自己紹介が終わり、コウが話し始めた。
「俺たち…大貴も含めてバンドを組んでるんだ。
『Over Drive』って言う。」

Over Drive...ギターに駆けるエフェクトの事だ…
かっこいい。素直にそう思った。

「そうだよ。コウがドラムで、ヨシトとヨウがベース、
えりがキーボードで私と大貴はギターだよ」

だから、ギターを弾いていたのか。納得だ。
「バンドって事は、いろんなところで演奏したりしてるの?」
まぁ当たり前であろうが、一応。
するとえりが答えてくれた
「いいえ、そんな立派なことはして無いわよ。学校の文化祭とか、街のイベントなんかで年に数回演奏したりするくらいよ。」
するとヨウが、
「学校では一応、軽音部って形でやってるんだけどね」

それから午後3時くらいまでいろんな事を教えてもらった。俺の学校での様子。
成績、先生、クラスメイトそして…
俺の記憶がリセットされ始めた年の事。