「とにかく、俺たち5人は人間がリセットをかけている。
そう、結論付けた。納得はいかないかもしれないが…」
コウがそう言っている途中に予鈴がなった。
俺らは教室の戻り、先生に遅刻の謝罪をして授業を受けた。

15時45分。
今日の授業は全て終わった。
5人のメンバーはいろいろとあるらしく別々に部室に向かうということだ。
俺は特に何も無かったので、まっすぐ部室に行った。

一人の部室で俺はギターを出して、部室に置いてあるアンプに接続し適当に演奏をしていた。
だいたい10分くらい経っただろうか?
一番最初に来たのは美波だった。
「お待たせ、みんなはまだかかるっぽいよ」
俺はあぁ、と一言返事をした。
「何?どうしたの?暗い顔して。もしかしてカミのこと?」
「ああ。俺は何を強く願ったのかなって思ってさ。
どんな願いが記憶のリセットに繋がっているんだろうって…」
正直不安だ。昼休みに聞いた話だと去年から「カミ」の調査を始めていたらしい。でも、望んだ結果は出なかったそうだ。
タイムリミットは12月29日だ。それまでにみつから無ければまたリミットされる。そんなのもう嫌だ。前の自分もこんな風に思っていたのだろうか?
考えていると美波は
「記憶を思い出したいの?」
「出来ればな。どんな出来事があって、どんな願いをしたのかかなり気になるしな」
「いいじゃん、そんな事。過去の事なんだし。思い出さなくても、リセットされてもみんなだいちゃんと一緒にいてくれるよ?」
美波は必死な顔を見せた。なんでそんな事を言うのだろう?
まるでメンバーがしようとしてる事を否定してるような言い方だ。
「なんでそんな事を言うんだ?」
「あっ…ごめんちょっと疲れてるみたい…変な事言っちゃったね。あはは…ごめんね」
少し焦ったような素振りを見せる美波。
何か…隠してるのか?