「次に記憶リセットが行なわれる時間だ。リセットが行なわれるのは夜中の12時ジャストだ。それは去年確かめたから確実だ。12時になった途端お前は突然意識を失った。起きたのは朝になってからだ。」
なるほど、納得がいくな。
「最後に…これが一番重要だ」
「ここからは私が話すよ」
美波が言った。
「最後は…だいちゃんの記憶のリセットを止める方法…だよ」
リセットを止める?そんなことが出来るのか?
「何か作戦があるのか?」
と問いかける。
コウが美波にかわって話す。
「ああ。この《カミサマ》からの手紙にある《カミ》を探すことだ」
「神を探す?そんなの無理じゃないのか?それとも何か手がかりが?」
「大貴の言っているかみは『神』。しかし俺らが探しているのは《カミ》だ。
つまり、手紙にあった《人間が古来より信仰してきた》って言うのは嘘だ。
本当は普通の人間…いや記憶を消せる力を持った誰か…が神になろうとしているのでは無いかと思ってるんだ」
確かにそれが本当だとすれば、そのカミを探しリセットを止めれるかもしれない。でも…
「そんなの漫画とアニメの世界じゃないのか?現実にそんな話があるわけ…」
言いかけて気付いた。
みんな真面目な顔をしている。
冗談を言っているような顔じゃ無い。
俺は言うのをやめた。