私立鳴海学園。
私立と言うだけあってかなりでかい。

白く塗られている壁は冬の光を浴びて水滴が反射して
とても眩しい。

昇降口に案内され、下駄箱を探し外履きを入れて内履きに履き替えた。

「よし、じゃあまずは部室だな」
そう、コウが言って俺らは部室とやらに向かった。

「結構リアルだな」
ついてすぐに言葉が出た。
そこは、とても学校とは思えなかった。
天井にはスポットライト
周りは黒で統一され、正面にはステージがあった。
その中央にコウのドラムが置いてあった。
まるでライブハウスだ。

「どう?すごいっしょ?気に入った?」
ヨシトが問いかけてきた。
「あぁ、すごいよ。」
とてもテンションが上がっていた。
俺も、みんなも…

「さて、あまり時間もない。朝の会には…出なくていいだろう。本題に入ろう。」
いやサボるなよ。出席とかどうすんだよっとちょっとツッコミを入れたくなった。が、スルーされそうだったのでそのまま頷いた。
てか、みんなもそれでいいのかよ。

ヨウが続ける。
「さっきも言ったが、3年間黙って大貴のリセットを見てたわけではない。リセットについてわかったこともある。」
「わかったこと?」
「ああ。まず第一にリセットされるのは大貴の周りにいる人間とそれに関わる場所の記憶のみだ。
現にお前はこの学校の場所がわからなかっただろう?
だが、ギターの弾き方や文字、勉強の内容などは頭に残っているはずだ」
確かに、文字は読めるしギターも弾ける。
昨晩、学校の準備をしている時数学の教科書をめくってみた。そこにあった数式などは理解できていた。