「委員長~!」


舌打ち。

隣でささらが『聞ーいちゃった』と、呟いたけど、気にしない。





表情筋をフル稼働。

微笑を作る。





振り返る。


…都築くんか。


「委員長!」


言いながら、都築くんは駆けて来る。

ちなみに、あたしは名乗ってはいない。

彼は本気で、あたしの名前を《委員長》だと思っているかも知れない。


「何、都築くん?」

「今、帰り?」


部活だ、ボケ。


「私達は部活、都築くんは?」


ささら、ありがとう。

あたしは黙っていよう。