「先生ありがとう」


奈央子は今度はなるだけ優雅?に
ココアを飲んだ。



「あとあたし、
昨年8月に
絶交して!て頼まれて絶交した
今も絶縁状態の
小田桐さんのこと思い出しました。」

と、奈央子。


そう、クラスは違うし町内も違うものの、
一昨年の今頃仲良くなり
昨年7月までは普通だった。


それが昨年の8月のはじめ。

イケメンな部員が多いって評判の
隣の中等部のテニス部の試合
小田桐さんに誘われ見に行った。


すると小田桐さんの同じクラスの友達で
偶然でくわした、加賀谷琴美さんと山内博子さんが
小田桐さんを呼び出した。


なんでもあたしのせいで
小田桐さんとあたしが
小田桐さんと琴美さんのクラスで
異常者人間グループ
障害者人間グループ
嫌われ者グループって呼ばれてると、
あたしは奈央子のせいだとおもうわよー
付き合いやめた方いいわよー
と、
加賀谷琴美さんが言ったそう!


そのときは、
小田桐さんに言われた。

「一部のコに変に思われてることわかった?
あたしは良いとこもあるからつきあってるわ。

そのコらは
あなたの悪いところしかわからないのよ。

例えばあなた
廊下で着替えるのもよくないわ、あとなにより
膝のかさぶたほじくるのやめなさいよ。
普通膝のかさぶたほじくるひと
いねーべ??」

と。


「琴美さんに言われたから
あたしのこと嫌いなったのかな」


と奈央子。


「これも、依頼者から伺った内容なのですけど、
その
小田桐美奈代さんがあなたと絶交したいと思う
決定打となったのは
昨年二学期のはじめごろ
8月下旬、
体育館にあなたの学年が集まったときのことですわ。


先ほど申し上げました通り
あなたワンピースなのに足を広げしゃがんでましたわ。
小田桐さんのクラスの男子らと
琴美さん博子さんがそれ見て笑ってたのですわ。

それで男子らにも、琴美さん博子さんにも
あれ小田桐の友達?
ていわれたのです。」


奈央子はハッとした。

自分のマナー違反のせいで
あと、廊下で着替えたりまして
かさぶたほじくったり
そんな変なとこのせいで
琴美さん博子さんにもクラスの男子にも
変に言われたんだわ!
普通絶交してくれっていいたくなるわ。


「それより何より
全員に好かれるのはどうしても無理があります、
相性もありますから。


なによりわたくしも職業柄
あいつは偉そうにしてうざったいと
陰で言われます。

なので全員から無理に好かれる必要は、
ありませんけど、
せっかくできたお友達、絆を、
自分のいたらなさ、マナー違反のせいで失ってしまったら悲しいことですわ。
そうよね。」

中川先生の言葉に
ハッとした。

「そうだわ、あたしだって
小田桐さんの立場なら、そうしてたかも。

あたし、マナー教室うけるわ。

必ずきゅうだいてんとれるわ!」

と、奈央子。

その顔に、その目に
ひとつも、迷いはない。