『わかった？雪村』
「うん…シゲのくせに。シゲのくせに」
『うっせーよ』
泣き声を誤魔化す様に、私は笑った。
シゲが気付いてたか、それはわかんない。
だけど、何も言わずに笑ってくれた。
それから、少しだけ話して電話を切ると私は携帯を確認する。
結城から心配のLINEが入っていた。
【ラブ、平気？
話聞くからいつでも連絡しなよ。】
…何だ、これ。
いつもなら遠慮せず俺の胸に飛び込んで来いとか言うくせに。
本当に弱ってる時に、優しくすんなよ。くそ。
結城のくせに。
でも、気持ちは嬉しい。
それは貰っておく。
【ありがと。学級委員長】
そこで、“結城”と言えないのが素直じゃない。
なんか、恥ずかしくて。
すぐに返信が来る。
相変わらず返信が速い。
脳内に携帯連動してんじゃね？ってぐらい。
【いいよ、新一って呼んでも。ラブなら許す。】
……私は静かに既読無視をした。
