「愛ちゃん、お待たせ。てか、もう戻らないとだ。
あんま話せなかった。でも、ちゃんと話して来たよ」

「そっか」


目を細める秋人。
それに返す様に、私も笑った。



「新ちゃん、図書館行こうね」

「俺がラブの隣だけどね」

「え!?それはナシでしょ!?」

「ダーメ。はい、チャイム鳴った。行った行った」

「ええええ。くっそー。後でまた来るからね!愛ちゃん!」


秋人は名残惜しそうに何度もこっちを見ながら、自分のクラスへと戻って行った。


授業だ、と前を向きノートを開いた時だ。


「ラブ」


そう声がして、私は後ろを振り向く。
そこには顔を俯かせて、眉根を寄せる結城の姿。