気付けば私はルカの部屋にいた。
「あ、起きた?」
ジンが言う。
「お前の親帰したよ。もう大丈夫」
仁の顔には切り傷のようなものが
無数にあった。
「ジン、その傷....」
涙が頬をつたう
「なんだ泣くなよ。こんなのかすり傷だろうが」
ジンは無理やり笑顔を作っていた。
「ごめんね」
私のせいだ。私が弱いから。
もっと強くならなきゃ。
ジンが私の顔をのぞき込んできた。
「ユズキ?明日不動産屋いこっか?」
あぁ。そんな話してたな。
そうだ。家を出よう。
母と距離をおこう。
私はうん!と返事をした。
「ゆびきりげんまーん」
そう言ってジンは私にキスをした。
そして私を抱いた。